再開発が進むとマンション価格はどう変わる?
近年、「中古マンションの価格が上がっている」という話をよく耳にします。確かに不動産業界のデータを見ても、首都圏全体の価格水準は高止まり。しかし、「本当に全体で上がっているの?」と疑問を感じた方もいるのではないでしょうか。
そんな疑問に答えるべく、マンションリサーチ株式会社の調査機関・福嶋総研が、エリア別のマンション価格動向を徹底的に分析しました。特に注目されたのは「大規模再開発」が行われているエリア。開発が進むと、果たしてマンション価格はどれほど影響を受けるのでしょうか?
価格が本当に上がっているのは「東京都23区」だけ?
調査結果によると、首都圏全体では一律に価格が高騰しているわけではありませんでした。
● 東京都23区では右肩上がりの上昇
特に2023年以降、東京都23区では価格が高騰し続けており、多くのエリアで中古マンションの価格が10%以上もアップしています。
● 一方で、都下・神奈川・千葉・埼玉は横ばい傾向
それに対して、都下やその周辺県では、2024年中盤以降はほぼ横ばい。エリアによって差が生まれていることが分かりました。
この結果から言えるのは、「首都圏の価格高騰=東京都23区の上昇」だったということです。
どのエリアで価格が上がっているのか?
福嶋総研では、東京都23区の中でも特に価格が上昇したエリアを可視化し、3段階の評価を行いました。
- 評価A(茶色):上昇率・上昇棟数ともに高い
- 評価B(黄色):どちらかが中程度
- 評価C(青色):上昇傾向は限定的
注目ポイント:評価Aが集まるのは「都心南部」
地図で確認すると、評価Aエリアは皇居より南側、特に港区や渋谷区周辺に集中。これらのエリアでは再開発が活発に行われており、それがマンション価格にも大きく影響していることがわかります。
再開発エリアで何が起きている?具体事例を紹介
① 品川・高輪ゲートウェイ周辺
新幹線や空港アクセスに優れ、国際的なビジネス拠点としても注目されている品川駅周辺。再開発によって高層ビルや新施設が続々と誕生し、住宅としての価値も急上昇しています。
② 湾岸エリア(豊洲・有明・晴海など)
国家戦略特区にも指定されているこのエリアでは、交通・生活インフラが整い、利便性が急上昇。高層マンションとショッピング施設が共存し、ファミリー層からの人気も急増しています。
③ 渋谷駅周辺
「100年に一度の再開発」と称される渋谷の変貌。ヒカリエやスクランブルスクエアなど、次々にランドマークが誕生し、オフィス・住宅・商業施設の融合が進行中。渋谷は今、ビジネスとカルチャーの最前線へと変貌を遂げつつあります。
再開発は資産価値アップの“起爆剤”
今回の調査から、再開発がもたらす影響の大きさが明らかになりました。街全体の利便性やイメージの向上が、住環境としての魅力を高め、結果的にマンションの価格を押し上げているのです。
これから物件を購入しようと考えている方や、資産運用を考えている方にとって、再開発エリアの動向は重要な判断材料となるでしょう。
まとめ:再開発=価格上昇とは限らないけれど…
再開発があれば必ず価格が上がるとは限りません。しかし、今回の調査結果を見る限り、東京都23区の中でも再開発が進むエリアでは確実に価格が上昇傾向にあることがわかりました。
「住む」視点でも「投資」視点でも、エリアの将来性を見ることはとても重要です。マンション選びで迷っている方は、再開発の計画や進行状況にもぜひ目を向けてみてくださいね。