「自然に囲まれた暮らし」に憧れて…でも本当に大丈夫?
最近、自然に囲まれたのんびりした暮らしに憧れて「地方移住」を考える人が増えています。でもその一方で、「やめた人の7割が3年以内に離脱していた」という気になるデータも。
この記事では、株式会社クランピーリアルエステートが運営する不動産メディア「イエコン」が行った調査をもとに、地方移住の実態と成功の秘訣をご紹介します。
きっかけは「ゆとり」と「自然」…だけど?
調査によると、地方移住を考えたきっかけのトップは「ゆとりのある生活ができそうだから」「自然に囲まれて暮らしたい」など、心のゆとりや癒しを求める理由が多数。
特に多かった声はこんな感じ。
- 「海の近くで朝夕に散歩したい」(40代男性)
- 「都会の喧騒から離れてのんびり暮らしたい」(40代男性)
- 「子育て環境を考えて祖父母のいる地元へ戻った」(40代女性)
こうした前向きな理由で移住を決めた人が多い一方で、実際に地方での暮らしが合わずにやめてしまうケースも少なくないのです。
移住後に感じる「理想と現実のギャップ」
地方移住で「満足している」と答えた人は77%と高い数値を出しています。でも、実は3年以内に移住をやめた人の割合が7割にものぼるという結果に。
なぜ満足しているはずの移住生活が長続きしないのでしょうか?
1. 仕事がない、収入が減った
地方では「求人が少ない」「収入が下がる」「フリーランスの仕事が見つけにくい」といった声が多数。中には「仕事を見つけるのに数ヶ月かかった」という人も。
2. 想像以上に不便だった
日常の買い物が遠かったり、交通機関が極端に少なかったり。車がないと生活できない地域では、ガソリン代や維持費も負担になります。
3. 冬の雪や庭の手入れに苦戦
都会では味わえない自然の厳しさ。「庭付きに憧れたけど草むしりが大変」「雪が多すぎて外に出られない」など、住んでみてからの発見も。
4. 子どもの教育や医療の格差
学習塾や私立学校が少ない、大学進学で仕送りが必要になる…。医療面では、夜間や休日に対応する病院が近くにないと不安も大きくなります。
「成功する人」がやっていたこと
では、移住して満足している人たちはどんな準備をしていたのでしょうか?共通するポイントがいくつか見えてきました。
仕事の確保は最優先
「転職活動をしてから移住した」「リモートワークができる仕事に転職した」など、安定した仕事の確保はとても重要です。
国家資格やITスキル、英語力なども地方で活かせる場面が多く、転職市場で強みになるようです。
現地を何度も訪れて下見する
「2~5回訪問した」という人が多く、季節ごとの環境の違いを確認したり、実際に住んでいる人に話を聞くなどの行動が成功の鍵になっています。
支援制度の情報収集
移住支援制度を使った人は7%と少数ですが、引っ越し費用や就業支援金などを出してくれる自治体もあります。
知らずに損をしないよう、しっかり調べておきましょう。
「想定外だったこと」もリアルにチェック!
どんなに準備をしても、住んでみないと分からないこともあります。特に交通・教育・医療の不便さは「住んでから困った」と感じる人が多いポイント。
季節ごとの過酷な自然(大雪など)も、理想だけでは語れない現実です。
「地方移住」は夢だけじゃない。リアルを見極めよう
地方移住には、自然の中でのびのび暮らせる、家族との時間が増えるなど魅力がたくさんあります。
でも、移住を続けられるかどうかの分かれ道は最初の「3年」。
仕事や環境への適応、交通や教育、医療の不便さなど、「憧れ」だけでは乗り越えられない課題もあるのです。
これから移住を考えている方は、「自分のライフスタイルに本当に合っているか?」を見極めるために、しっかり情報収集をして、何度も現地を訪れてみてくださいね。
そして、できるだけ「どこでも働けるスキル」を身につけておくのも大切な備えのひとつです。
憧れの移住ライフを「夢で終わらせない」ために、しっかり準備して一歩を踏み出しましょう!